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Room No. 7.9(My wife :))

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Room No. 7.9(My wife :))

 

 

(Nikon coolpix 8700)

 

 

Milan. Italy. 2005…. 5 / 20

(Today's photo. It has been announced. 2022. Re-edited.)

 

 

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Base Ball Bear --short hair

youtu.be/kDc2VebfUdktitle

 

 

ベボベのPVに触発されて、速攻で小説(掌編)を作りました😃タイトルは『夏のはじまりは、すりガラスの向こうに』です😃

youtu.be/_PUdGEus4ic

 

#小説 #小説を書いてみたい #夏のはじまりはすりガラスの向こうに #電車時間に小説を #ベボベに小説を #ベボベ #baseballbear #ベースボールベアー #掌編 #就職 #オーストラリア #成田空港 #初めての小説 #小説を書こう #海外赴任

 

動画はかなり古いです。下記のテキストが最新版になります。かなり加筆修正したので最終稿とします。

バージョンは3月18日、18時36分です。

5分ほどで読み終えてしまうと思うので、電車時間などにどうぞ😃

初稿(最初期)は以下にあります。小説を書きたいと思ってる方は参考にどうぞ😃

www.flickr.com/photos/stealaway/51938270815/in/dateposted...

 

小説(掌編)  【 夏のはじまりは、すりガラスの向こうに 】

 

あらすじ

遠藤 シュン 22才と、同級生、関口香奈のお話。

シュンは商社へ就職し、7月からオーストラリアへ。海外赴任前に実家へ帰る。

===================

 

 7月の夕暮れは、すりガラスの向こうのように霞んでしまう。真夏に向かっていろんなものが鮮やかに色を放つというのに、夕暮れによって光を失うと精彩は失われ、描いた絵にうっかり落とした水滴のようにじゃみてしまう。

 閉館間際の図書館の窓の外に目を落とした遠藤シュンは、しばらくの間、ぼんやり夕暮れを眺めていた。

 シュンは、7月から日本を離れ、オーストラリアの東部へ向かう。就職した商社が、これからの水素社会のために、日本へ輸入を計画しているからだ。シュンは、既に動き出している現地スタッフに混じり、新しいメンバーとして参加する。採用された中でシュンが特に優秀だったわけではなく、面接の際、「いきなり出向となったら君はどうする?」と訊かれ、つい調子に乗って「がんばります」と快活に答えたからのようだった。

 そして7月から新天地へ向かう。明日、成田空港で13時に待ち合わせている。上司の大山は、「向こうへ到着してからも隔離だから、まぁちょっと大変だけど」と大きなお腹を揺らして笑っていた。そんな語尾に釣られて、へつらった笑顔で返す自分が嫌になる。大人になると失うことも得ることも同時に起こるのかもしれない。

 

 静まり返った本棚の連続に目を移して、シュンは昔聞いたポップソングを思い出していた。

— たくさん失う ー 色も褪せてゆくー

 

 就職し、仕事を得られた安堵と同時に、何かを失ってしまった。自分の手で切り開こうとする、曖昧だけど確実な未来への一歩と、幼い頃、真夏の木陰で食べたアイスクリームの淡い記憶をためらいなく引き換えてしまったような喪失感......

 シュンは立ち上がって、手にしていた本を棚へ戻した。本は、関口香奈が好きだったものだ。当時はハードカバーだったが、今はもう小ぶりな文庫本に置き換えられている。人気のある本なので、表紙の隅々がかなり痛んでいた。

 すっかり静まり返った図書館の気配を背に外へ出た。外気にはまだ強い湿気が残っていた。鬱陶しい夏の始まりだというのに、シュンの胸の内は静かだった。

 

 図書館を出て左へ曲がり、T字路へ差し掛かったところで、シュンは立ち止まった。まっすぐ歩けば、たぶん僕が好きなカレーを作って母が自宅で待っている。でも、右手の横断歩道を渡って、直進したら、香奈の自宅だ。

 

ー 香奈 ー

 立ち止まって、シュンは俯き、胸の内で香奈の名を反芻した。

小学校のとき、中学校のとき、高校生のとき、いつでも当たり前のようにそばにいた香奈を僕はやっぱり大切にしなかったんだ。でもー

でも、本当に大切なことを言葉にしたら、失ってしまうことだってあるじゃないかー 言葉にした途端、すべて色褪せて消えてしまう、そんな想いだってあるじゃないかー

 言葉にする勇気ー 僕にはやっぱりなくて、でもきっと香奈はそれを持っていた。運動会の準備でも、高校受験の試験勉強でも、戸惑っている僕の背中を押してくれたのは香奈だった。

 

 クラクションの高い音でシュンは我に返った。シュンが鳴らされたわけではなく、誰かが赤信号を無視して渡ったようだった。別々の大学に進んだ4年間の重みが、シュンの足を止めていた。シュンよりツーランク上の大学へ進んだ後、香奈は、どこか海外の大学へ編入したらしかった。もう、自分が知っている香奈はどこにもいないー

 過ぎった思いを払って、シュンは、まっすぐ歩き出した。

 

 玄関を開けた家の奥には、案の定、カレーの匂いが立ち込めていた。

「たくさん作ったからいっぱい食べてねー」

 妙に明るい母の声には意味がある。深い意味ではない。シュンがそこそこ有名な商社へ入り込み、かつ、明日からはオーストラリアへ旅立つからだ。シュンの田舎で、商社と言ったらもはやドリカムなのだ。有名無名など無関係。明日から、うちの子は日本を離れるんですよーというだけで、雲の上の存在なのだ。シュンが昨日、ちょっと近所を出歩いただけで、三人のおばさんに話しかけられ、三人共にシュン君はいいねーなどと褒められ、母の存在感を味わう。カレーを食べて、お風呂に入って、早く寝て、さっさとこの場所を離れようー

 シュンは硬く目を閉じて寝返りを打ったが、朝まで眠れることはなかった。

 

「第三ターミナルって異常に遠いよね。遠い場所に作って不便を促す発想は、うちの会社にはないなー、遠藤くん」

 額の汗をマスクで拭った大山は、重そうに膨らんでいるジャケットのお腹をやっと前に進ませている。シュンは、適当な笑みで返しながらネクタイを緩めた。寝不足と大山の言葉どおりに使い果たした体力で、気持ちが深く沈んでいた。

「うちが現地で契約しているスタッフが、遠藤くんといっしょに現地入りする。しばらくはスタッフの指示に従って、感染しないように」

 ふいに笑顔になった大山は、シュンの背後に向かって声を掛け、手招きした。

 振り返ったシュンは、しばらく声を失っていた。大山がシュンの紹介をし、現地スタッフである香奈に関して、簡潔に説明した。ショートヘアの香奈はダフネブルーのTシャツに細身のジーンズ、そして履き込んだスペルガの白いスニーカーといったラフな格好だった。

 大山はシュンらを付き合わせると、これから青山の本社まで戻らなければならないからと言って歩き出し、シュンに着いたらメールするように、と笑顔を残して去った。去り際に香奈へ、いろいろご迷惑をお掛けするかもしれませんがよろしくお願いいたしますと、難しい顔で伝えた。香奈は、大山の難しい表情を解きほぐすような丁重な声と笑顔で、「どうにかなりますからー」と答えた。

 

 出発ラウンジへ歩き出しながら、シュンはいった。

「どうしてここに?」

 香奈は、立ち止まってやや怒り気味に返した。

「どうしてって、ただの偶然でしょ?」

 香奈の言うとおりだった。ただの偶然だ。香奈がここまで仕込んで筋書きを立てられるとも思えないし、そんな意味などないのだからー

 手続き済ませてゆっくりしようよと、香奈は再び歩き出しながら言い放った。

 シュンも賛成だった。歩きながら話したいけど、歩きながら話せるような軽さは微塵もない。シュンらは、人気の少ないターミナルの中を進んでいった。

 

 手荷物を預け、出国を済ませると、シュンらはラウンジに腰掛け、カップのコーヒーの蓋を開けた。カップはかなり火照っていた。ラウンジの高い天井の隅には、赤い風船が、エアコンのゆるい風に吹かれて揺れていた。子供が手放したんだろうけど、それはいつだったんだろう、シュンはそんな余計なことを考えている自分にイラついた。

 香奈は、コーヒーにフーフー息を吹きかけながら、一口啜ると言った。

「きのう、図書館の近くのT字路で立ち止まってたでしょ。私、見てたんだよ」

 シュンの胸はどきりと跳ねたが、気づかれぬようさらっといった。

「なんで、見てたの?」

「ひさびさに日本に帰ってきて、家の窓から夕暮れ見てたの。そしたら、見慣れた人影が。シュンかなって思ったけど、まさかいるわけないよねって。でもシュンだった。見てたっていうよりも、目に入ってきたって感じかな」

 シュンは長椅子に腰を深く落とし直した。アルミ製の椅子は、エアコンですっかり冷えている。シュンは、香奈の横顔にいった。

「髪、短くしたんだ」

 香奈は、目を丸くして応えた。

「興味があるんだ」

 シュンは、やや攻撃的な口調の香奈を悟すように言い返した。

「なんで怒ってるの?」

「怒ってなんかないよ」

「いやいや怒ってるじゃん。怒りが滲んでこぼれてるぞ」

「そういうときもあるのよ」

 香奈はシュンの問いを適当にあしらって、飛行場内に目を移した。シュンらが乗り込む飛行機は、強い陽射しを浴びて、今、目の前に静かに止まっている。

 香奈はシュンに目を戻していった。

「なんで立ち止まっていたの? 結構、長かったよ、止まってたの」

「いや、足元に蟻が….. 」

「蟻?」

 香奈は目を剥いて訊ねた。

「いや、アイスクリームが落ちていて、蟻が群がっていて、こんなにいっぱい持って帰るのかなーって」

 香奈は口を硬く結び直してから、窓の外を眺め、コーヒーを飲んだ。コーヒーの熱とは別に冷めた視線だった。

 シュンは、気づかれぬよう香奈の薬指を見た。指輪はなかった。が、彼はいるかもしれない。付き合ってるジャスティンビーバーばりの白人男性が香奈の部屋で、パスタを茹でて待ってるかもしれない。次々襲ってくる妄想にシュンは、香奈に気づかれぬよう、うめいていた。

「で、シュンはいつ帰るの?」

「え?」

「いつ帰るの? 次は。日本に」

「あれ? そういえば聞いてないな。俺、いつ帰ってくるんだろ」

「シュン、大丈夫?」

 香奈は、自分ごとのように肩を落とした。それからいった。

「っていうことは、たぶん、無期限の可能性が高いね。一年二年じゃ帰れないよ、きっと」

 シュンは、コーヒーを啜りながら、胸の内で、俺は日本に帰れないんだ、と呟いた。

 口元に軽い笑みを浮かべた香奈は、ぼんやりしてうなだれているシュンにいった。

「見せて、シュン。4年間何をしていたのか。私に」

「たいしたことやってないよ、俺は。行き当たりばったりで」

 香奈は、しばらく黙って俯いた。そしていった。

「私に、彼がいるかどうか、聞かないの?」

 シュンは、窓の外に目を移した。さっきまで夏の陽光で明るかった風景が、霞んで見えた。すりガラスの向こうに見える七月の夕暮れのようだった。風景は遠くなり、音もなく滲んで、消え去ってゆくー

 ふいに視界が暗くなった。音も消えて、暗闇に落ちたようだった。鼻先で香奈の髪が踊っている。シュンの唇にはやわらかい温もりがあった。

 離れて、香奈は、外の景色を再び眺めた。静かな横顔だった。

「蟻なんて言わないで。もうそんなこと言わないで。シュン、ラインだって繋がっていたのに4年間ずっとそのままだったよ。わたし、シュンを忘れたことなんて一度もなかったよ。それはこれからもだよ。ずっと、ずっとだよ」

 大きな雲が去ったのか、窓の外からシュンの足元に光が差し込んできた。

 シュンは、窓の外を眺めた。

 眩い夏の光がそこには溢れ、輝いていた。

 

 

【 お知らせ 】

インスタでお友達の河津 快さんが個展を開きます。

テーマは、『Morpho』坂本善三美術館 シリーズ「アートの風youth」

2022 3/21[月・祝]ー4/10[日]

[場所]坂本善三美術館町民ギャラリ―(入場無料)

まだ若いのに、写真に限らずイメージを膨らませられる素晴らしい才能を持っています。

お近くの方は、春風に誘われて足を運んでください😃

www.instagram.com/p/CbFaC5Mv-n5/?utm_source=ig_web_copy_link

 

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タイトル

Room No. 7.9(My wife :))

 

 

( Nikon coolpix 8700 )

 

 

ミラノ。イタリア。2005年。   4 / 20

(今日の写真。それは発表済みです。2022年。再編集しました。)

 

 

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Base Ball Bear - short hair 

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僕の統計。(2021年5月11日現在)

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Japanese is the following.

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Title of my book unforgettable' Mitsushiro Nakagawa Out Now. ISBN978-4-86264-866-2

 

Mitsu Nakagawa belong to Lot no.204_ . Copyright©︎2022 Lot no.204_ All rights reserved.

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He and she.

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ベボベに感動して小説(掌編)を作りました.『夏のはじまりは、すりガラスの向こうに』です😃

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Uploaded on March 25, 2022